2008年1月20日日曜日

【本】ブギーポップは笑わない

ブギーポップは笑わないブギーポップは笑わない
上遠野 浩平 緒方 剛志

メディアワークス 1998-02
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この本を読んだのは、いまからちょうど10年前。北海道行
きの航空機の離陸を待つ羽田空港内の本屋で、平積みになっ
ていたものを見つけた。

「ブギーポップは笑わない」

変なタイトルだった。それまで小説なんてずっこけくらいし
か読んだ事がなかったし、本棚にはこち亀くらいしかなかっ
たし、ライトノベルという言葉も知らなかった。

何故買ったのか。たぶん漫画だと航空機のフライト時間では
読み切ってしまうというセコイ発想か、単純に漫画と間違え
たのかもしれない。

主人公が誰なのか、結局どういう話なのか、読んでみても、
さっぱり分からなかった。主人公らしき青年の独白で始まる
冒頭は既に事が終わってしまったことをにおわせていて要領
をえない。

『ブギーポップの話は、僕にとってかなり気の重い話である』

のっけから何の話かわからない。読み進めていくうちに、その
ブギーポップとは、彼がつき合っている一つ年下の女の子、宮
下藤花の第二人格であるということがわかる。そしてそいつは
死神であり、世界の敵と戦う変な奴だった。

マルチアングルで描かれる世界はどこまでも平凡で、どこにで
もいそうな高校生が、それぞれの事情と、あの年代特有の切実
さで世界と向き合い、敵対し、あるときブギーポップと出会う。

一つの事件が全くことなる視点で描かれ、誰一人事件の全容を
把握していない。にもかかわらず、誰もがそれに何らかに意味
を見いだし、ブギーポップだけが何も残さず消えていく。

その時はそれがえらく新鮮だった。活字はそんな事ができるの
かと静かに感激し、それから活字をごりごり読むようになった。

あれから10年
芥川賞と直木賞の区別くらいつく程度になった。

風邪を押して、部屋の本を整理したら、この本がでてきた。
今読むと、まあ、さすがに恥ずかしい話ではある。

だか、これを読んでいなければと思うと、更にお恥ずかしい。

だからこの本は、捨てない事にした。

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