ネクタイをとってみた。周囲がクールビズを導入したのは随分前のこ
とだが、自分はネクタイを外さなかった。これは単に礼儀作法の問題
だけではなく、ノーネクタイに、ジャケットの姿がみっともなかった
らだ。数年前は、ネクタイをとるなんてもっての他だった職場で皆が
ノーネクタイでウロウロしている。横断歩道かここは、と思う。皆で
わたれば怖くない。所詮は礼儀作法などはその程度のものだというこ
とだろう。「ここでは、このように振る舞うことがルールですよ」と
いうコードが大切であって、それを一律で守れることが、すなわち礼
儀正しいとされる様式だった。つまり、皆がそれを礼儀作法と思わず
もっともらしい理由(環境問題?)ともっともらしい言葉(クールビ
ズ)を用意すれば、たちまちなくなってしまう程度のものだ。
ネクタイを外すより簡単かもしれない。
こういう様式をかたくなに守っていた人が、何のこだわりもなく、ネ
クタイを外す。この人の価値観はその程度のものなのだろうと思う。
きっと皆がやればどんなことでもするだろう。そこまでは言い過ぎか。
ネクタイは、様式美であるとともに、一つの礼儀の形だと思っていた。
だが、職場には礼儀を示すべき人はいないようだ。折よく人の薦めも
あり、ネクタイをとることにしたという訳。なるほど、しめるよりも
よほど簡単だ。
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